ネタバレあり、また、基本的に私は褒めません。
だから、この時点で眉をひそめた人は読まないでください。
「メールあるかな?」
いつも通り、メールをチェックしました。
すると、図書館から予約していた本が確保できたとの連絡がありました。
私は、基本的に本を買いません。
買ったとして、実用書ばかりです。
「小説?そんな無駄なものは買いません!」
そんなことを言っていると、友達から
「お前のメールって固いわ!仕事の書類みたいやわ~」
って言われてしまいました。
「そんなこと言われても~」
って事で、小説も読むことにしました。
柔らかい文章を読むことによって、その表現方法を学ぶことにしました。
「何にするか?」
そこで、今回の有川浩の「図書館戦争」を読むことにしました。
しかし、この本は、かなり人気があるようです。
図書館に予約を入れたのが、去年の後半です。
それでも、かなり前です。
すっかり本の予約をしていたことを忘れていました。
正直なところ、いまさら読むのが面倒です。
すっかり、読みたい熱が冷めていました。
「ま~、せっかくなので・・・」
ってことで読むことにしました。
読んだ感想です。
「きついわ~」
です。
何が?
さて、もっとわかりやすい評価をします。
100点満点の80点。
合格点は70点とします。
この評価ですが、普段褒めない私としては、かなり高評価です。
さて、本の出だしは・・・
前略
お父さん、お母さん、お元気ですか。
で始まります。
続いて、近況報告がされ・・・
念願の図書館に採用されて、私は今—–
毎日軍事訓練に励んでいます。
*
と、物語は始まります。
この時点で、私の心は鷲づかみにされてしまいました。
しかし・・・
その後を読んで、最初の感想の「きついわ~」です。
ストーリーを分かりやすく言えば、女性自衛官の話って感じです。
そのため、軍事訓練の場面や、戦車、銃器の名前がでます。
しかし、この手のものに興味が無い私としては、読むのがだるかったです。
この手の軍事物は、マニアがいます。
軍事マニアですね。
しかし、話が、架空の図書館の世界となっているので、状況設定に対する軍事的な突込みは回避できると思います。
「あんまり、色気ない話やな~、作者ってどんなやつ?」
本の後ろの作家紹介を見ました。
「えっ!この作家って、女性なの?」
この本の一番の驚きが、作者が女性だったことです。
私は、軍事的なものを扱っているので、てっきり男性作家だと思っていました。
「だからか~」
っと納得できるところもありました。
話は進み、主人公の女性が、ある事件の事で殺到するマスコミに嫌な思いをします。
主人公を慰めるために、上官がやってきます。
そして、その上官の肩を借りて泣くシーンがあったと思います。
その辺の表現が上手だな~と思いました。
女性作家ってわかったから言える事かもしれませんが、このあたりの描写は、女性ならではかな~って思いました。
私にしては、褒めていることが多いのですが、不満ももちろんあります。
登場人物の、個性が弱いかな~
さ~っと読んでいたってこともありますが、いまいち、誰が誰って感じでした。
それでも、主人公の女性と、上官はしっかり意識して読んだので、あとは誰が誰とわからなくてもあまり困ることはありません。
実は、今回、この本を読んでからアニメも見ました。
どうも、2008年にアニメ化されていたようです。
全12話
アニメも、その時にアニメを見た人の感想を見ると好評だったようです。
また、この作品が発表されたときに、リアルの世界で、物語の世界を予感させる法案が問題になっていたようで、タイムリーだとさらに評価をあげていたようです。
原作は、好評だったのか、その後シリーズ化して数冊出ています。
アニメは、これらの話も含まれていたのでしょうか?
私が本で読んだ部分は、早々と終わってしまって、まったく知らない話が続きました。
アニメでも、私は誰が誰か分からなくなりました。
と言うのは、キャラクターデザインが、美女美男子って感じで、あまり特徴が無かったからです。
もちろん、髪型とは全く違います。
それでも、私は見分けがつきませんでした。
なぜなら、最近のアニメには暗黙のルールがあるからです。
たとえば、女性のヒロインは、髪の色がピンク色ってのがあります。
これは、キャラクターの描き訳が出来ていないための苦肉の策だと思います。
最近の絵柄の傾向として、極端に目を大きくしたデフォルメしたのが良いみたいな風潮があります。
場合によったら、何のアニメの、何のキャラか分からないぐらいに似っていますからね~
そんなキャラ同士が、お互いの顔について言い合っているシーンがありました。
しかし、髪型と、その色を変えたら全く同じです。
「説得力には欠けますね~」
そんなのを見慣れているので、キャラクターの見分けがつきませんでした。
言い換えれば、古き良き時代のアニメだったと言えるかもしれませんね~
さて、ここでもう一つネタバレを・・・
主人公の女性は、学生時代、子供のころに読んだ絵本の新刊を本屋へ見に行きます。
この物語の世界では、本は検閲を受けます。
その主人公の目的の本も、検閲された結果、有害図書扱いです。
主人公は、回収されそうになったその絵本を守ります。
そこへ、その組織と対立する組織の人が来て、主人公に助け船を出します。
その人に憧れて、主人公の女性は、軍事訓練が存在する組織に就職します。
その組織が、図書館です。
先ほども書きましたが、ここでネタバレ。
この学生時代に、助け船を出してくれた人。
主人公曰く、王子様は、今は、
「ちび」
「鬼」
みたいな罵声を常に浴びせている、自分の上官なのです。
なんか、大きなネタ晴らしをしたように思うかもしれません。
しかし、この本を読んだら、早い段階でこの展開は予想できると思います。
というより、「いつこれがわかるのかな~」って感じで話は進みます。
でも、これの種明かしが、かなり不満です。
なぜなら、最後の方で、その当時の回想シーンの話があり、そこで読者に種明かしです。
「なんじゃそれ!」
かなり不満です。
私的には、物語の途中で、つい上官がうっかりしゃべったことがヒントになり、その結果、鈍い主人公が気付く展開を期待していました。
アニメでは、その辺は考慮されて、話の流れで主人公が気付くようになってます。
しかし、もうちょっとドラマ性がほしかったな~
ま~、原作とアニメの両方の感想になりますが、いまどきの作品としてはよくできていたと思います。
完成度が高かったゆえでしょうか、期待する部分も多くあって、手放しで評価はできません。
さて、この話は、本が話の中心です。
本は検閲を受けて、この世界の一般人は、無害のものしか普通は読めません。
では、この「図書館戦争」の本はどうでしょう?
私は、まったく問題ないと思います。
無害認定!
逆に、学校指定の推薦に入ってもおかしくないと思います。
作中の中で、有害であるものも読みたいと子供たちは主張します。
この本は、その害が無いので、本の中の子供たちには、物足りないかもしれませんね~
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