私:「私もこの話はきらいだ」
さ〜、今日も図書館に行くか〜
予約していた本が用意できたとの知らせが、図書館からメールできたので取りにいくことに。
受け付けカウンターに行くと、他の人がならんでいる。
まいったな〜
別に急いでいる訳ではないが、私は並んだり待つのが嫌いだ。
だから、食べ物でなら人などの気持ちがわからない。
そんな事を思い、ふと横を見る。
すると、数学に関する本が置いてあった。
その中の一冊を手にとって見た。
確率の本だ。
なぜ、その本を取ったか?
最近、私は株をやっている。
私にとって、株はギャンブルだ。
”それは違う”と言う人もいるだろう。
しかし、私にとっては、勝つか負けるかの勝負だ。
ただ今のところ、負けている。(涙)
そんな事もあり、確率の本をペラペラとめくって見た。
わからん。
簡単な数式だろうが、興味がわかない。
所詮、学問は学問だ。
いくらそのような勉強をしたからといって、儲かる訳では無い。
実は、前日にちょっとした公式を調べていた。
すると、ヘッジファンドのLTCMに関することを見つけた。
LTCMとは、ノーベル賞をもらった人などが役員になっていたファンドのことだ。
私からすると、ノーベル賞をもらうぐらい頭のいい人が運用するなら、絶対儲かる。
って思うのだが・・・
ま〜、世間の人もそのように考えていたようだ。
で、どうなったか?
破産しちゃいました。
所詮、学問は後付けって事でしょうか?
人間には、感情があり、欲がある。
ここんところは、まだ数値化出来ていないようだ。
はたして、解明出来る日は来るのだろうか?
それがわかれば、人生が味気ないものになるかもしれませんね〜
そんな事を思いながら、その確率の本を、そっと元の場所に戻した。
受け付けカウンターを見ると、次に待っていた人の対応をしている。
早くしてくれ〜
何気なく、その本の横に目をやった。
すると、絵本がある。
絵本など、このような時でないと目にすることは無い。
そんな事を考えていると、一冊の絵本に目が止まった。
百万回生きた猫。
それが、絵本のタイトルだ。
へ〜、本当にあったんだ〜
まさは、私はこの絵本が存在するとは知らなかった。
十数年前の事だが、私は無職だった。
一応、夢はあったが、現実は厳しい。
これと言ってする事もなく、テレビを付けた。
その時に見たアニメが、ビバップカウボーイだ。
このアニメは、今でも好きなアニメだ。
そのアニメの終盤の話だ。
主人公、スパイクの愛する人が殺される。
そして、復讐に行く前の一コマだ。
相方のジェットに向かって話かける。
スパイク:「こんな話しってるか?」
ジェット:「あ〜」
スパイク:「あるとら猫がいた。その猫は、好きでもないいろんな飼い主達に飼われながら、百万回死に、生き返って百万回生きた。猫は死ぬのが怖くなかった」
スパイク:「ある時猫は、自由な野良猫だった。そいつは、白いメス猫に合い二匹はいっしょに幸せに暮らした。やがて月日が経ち、白い猫は年を取って死んじまった」
スパイク:「トラ猫は百万回泣いて、そして死んだ。そしてもう二度と生き返らなかった」
ジェット:「い〜話だ〜」
スパイク:「おれは、この話が嫌いだ。おれは猫がきらいだ」
ジェット:「だと思ったぜ」
二人は笑う。
ジェット:「スパイク!一つだけきいていいか?」
スパイク:「なんだ?」
ジェット:「女のためか?」
スパイク:「死んだ女のために出来ることなんてはないさ」
こんなやり取りが流れる。
この猫の話の部分が、百万回生きた猫の話だ。
このアニメは、未来の賞金稼ぎの話だ。
なぜ、アニメが好きかと言うと、ちょっと変わっているからだ。
物騒な話は、この百万回生きた猫の話が出てくる時ぐらいだったと思う。
それでも、戦闘シーンはちょくちょく出てくる。
普通のアニメなら、戦闘シーンは景気のいい音楽が掛かる。
ガンダムなどがいい例だろう。
しかし、このアニメは違う。
そこには、戦う事に格好良さはない。
淡々と話が流れる。
終盤は、過去を振り返るシーンが多い。
これって、子供向けか?
このビバップを熱く語る子供を見たくない。
それは、小学生がブルースやジャズを熱く語るようなものだ。
そんなガキみたくないぜ〜
そして、百万回生きた猫。
これって、子供向けの絵本か?
私には、作者のいいたいことがわからない。
猫に、百万1回目は無かった。
もし、私が猫なら、百万回以上生き返っているだろう。
なぜなら、そんな幸せは無いからだ。
だけど、人間は1回で終わりだ。
もちろん私も。
人生ってこんなものか?
映画やドラマなら、ハッピーエンドがある。
私には用意されているのだろうか?
百万回生きた猫
私:「私は、この話が嫌いだ」
今、部屋にはただ一人。
一緒に笑ってくれる人はいない。
たぶん、これからもだろう。
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