「あ、はい」
私は、返事をしながら、いったい何のことだと考え中です。
内線電話がかかり、上司から仕事の進行状況に関する問い合わせの一幕です。
私には、その仕事をやった記憶がまったくありません。
何とか、ごまかしその場を切り抜けました。
そんなことが、最近よくあります。
私もいい年ですが、ぼけるにはまだ早いと思います。
とはいえ、ボケは年寄りだけのものではないようです。
でも、記憶が消えるのは、会社にいる間だけ。
プライベートの事は、ちゃんと覚えています。
ここまで読んだあなたは、「仕事がいやで、いやいややっているから覚えていないのでは?」って思うかもしれません。
ま~、確かに、最近仕事が面白くなってきました。
それに、給料やすいし~
と、愚痴モードになってくるので、仕事の内容に関しては、ここでやめておきます。
確かに、若いときに比べて忘れるのは早くなっています。
でも、これは、経験により身に付けた技術かも知れません。
人間、生きていれば、楽しいことばかりではありません。
どちらかといえば、私は引きずるほうです。
しかし、最近は、そんなこともあるさ~と考えて、忘れることが出来るようになってきました。
また、いろいろと調べるのが趣味みたいなものなので、本などもよく読むほうです。
それを全部記憶する容量は、私の頭にはありません。
覚えたところで、雑学程度にしかなりません。
だから、忘れる必要があります。
でも、仕事となると別です。
何でも忘れるようでは困ります。
まいったな~
そんな悩みが、未解決のまま日々過ぎていました。
しかし、ふと原因がわかりました。
すべては、私の隣の人にありました。
原因がわかったところで、解決方法はないでしょう。
一言言えばいいのですが、
「たぶん、なおらないだろうな~」
みんな、その人に対しての考えは同じようです。
うるさい!
もうちょっと、静かにしゃべってよ。
本人は、耳が悪いからと、あまり気にしていないようです。
うん?確か私の記憶の話だったような・・・
それが、いつの間にか、隣の人がうるさいって話に。
実は、隣の人の大声が、私の記憶に関係していました。
わかったぞ!
それは、土曜日のことです。
私の会社は、日曜日と祝日は休みです。
土曜日は、交代で休みになりました。
「今日は、しずかだな~」
誰かの、冗談交じりの声が聞こえます。
なぜなら、私の横の人が休んでいるからです。
「耳が悪いから、大声なんでしょう」
ちょっと、不満が混じった意見も。
私は、集中して仕事をしていたので、その人がいないことすらわかりませんでした。
「あ、ほんとだ」
今日は、いつもより仕事が進んでいます。
なんせ、あれと、あれをしたからな~
今日は、いつもと違って、ちゃんとした仕事を覚えています。
おや?
不思議です。
いつもなら、さっきやったことも覚えていません。
それなのに、なぜ?
そうか、わかったぞ!
そのうるさい人が休んでいるからだ。
私たちは、何かを考えない事は出来ません。
考えないと思うと、そのことを考えてしまいます。
なかなか、無の境地には達しないようです。
何も考えていないようで、無意識のレベルで考えています。
それは、頭の中で声を出して考えています。
そして、その無意識の声を記憶しています。
ところで、なぜ人間は、うるさいところでも人と話が出来るのでしょうか?
それは、脳が雑音を排除するからです。
私は、仕事中、いつも隣の人の声がうるさいな~って考えています。
隣の人は、大声のうえ、話し好き。
絶えず、しゃべっています。
そのため、私は、手は動いていますが、こころ中は
「うるさいな~」
って絶えず考えています。
また、場合によっては、隣の声のせいで、そのこころの声すら聞こえない場合があります。
その間、私は、無の境地に達します。
それは、なんとも表現できない感覚です。
一瞬、すべてが止まったようにも感じます。
頭の中は、すべての音をシャットアウトします。
それほど、特別な状況を作ってしまうほと、その人の声はでかい。
体の調子が悪いときなど、大声が原因で気分が悪くなります。
はきそうにもなります。
でも、どうすることも出来ません。
その本人が、他人の迷惑を理解できないからです。
それでは、私がどうにかするしかありません。
そこで、こまめに、仕事の状況をメモすることにしました。
これで解決かな?
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